インプラントとは
永久歯が抜けてしまうと、二度と歯は生え変わりません。今までは歯が抜けると「入れ歯」を使用するか、ブリッジといわれる”かぶせもの”をするのが通常の方法でした。しかし「入れ歯」だと、うまく噛めない、言葉がうまく発音できない、使用している間にガタついて違和感を覚えたりするなど、いろいろ不自由な場合がありました。
「インプラント治療」は耐久性、噛む力などにおいて、とても天然の歯に近く、“第二の永久歯”とも言われている新しい治療法です。歯が抜けた後の顎の骨に、人工歯根(インプラント材)のボルトを埋め込んで土台を作り、その上に人工の歯をつけるという治療方法です。
外科手術になるため、数回の通院とその後のメインテンスが必要です。
また、お口や顎の骨の状態によって手術が受けられない場合があります。
当院のインプラント治療
ストローマン社製のインプラントシステムを使用
ストローマン社はスイスのバーゼルを本拠地とし、インプラント歯科学、修復歯科学、口腔組織再生の領域のグローバルリーダーです。50年以上の調査と研究を続けており、世界で1,300万本以上のストローマンインプラントが患者さんの治療に使用されています。
ストローマン社のインプラントは、骨と結合しやすく、安全性に優れ、正しくメインテナンスを続けることで長期間の安定性と審美性を保つことが可能です。
日本歯科大学の先生が担当
インプラントに関しては、日本歯科大学の先生が担当します。
インプラント治療の流れ(2回法手術)
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1カウンセリング
治療に関してのカウンセリングを行います。
治療に際してのご希望やお口の状態について、しっかりと聞き取りを行います。 -
2診断と治療計画
インプラントを埋め込む箇所と口腔内の骨の状態、歯肉の状態、噛み合せの診察を行います。 レントゲン撮影、口腔内写真撮影、歯形や噛み合せの採得等を行い、口腔内全体での治療計画を立て、十分に患者さんと話し合いをします。
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3口腔内の衛生環境を整える
インプラントは歯周病菌に弱いため、手術前に口腔内をきれいにするために治療を行う必要があります。歯の除去と、ご自身による正しいブラッシングにより口腔内の衛生環境を整えておきます。
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4一次手術(人工歯根の埋入)
歯茎を切開して、人工歯根(インプラント体)を埋入するために顎の骨を削ります。削った骨の中に人工歯根を埋め込みます。
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5治癒期間(骨と人工歯根の安定化)
骨とチタン(人工歯根の素材)は結合する性質をもちます。その結合による安定を計るのために一次手術の後に治癒期間を設けます。(通常3~6ヶ月)
治癒期間中は、仮歯を使用することも可能です。
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6二次手術
治癒期間後、歯肉で覆われた人工歯根の頭の部分を露出させ、人工の歯との連結部分になるアバットメントを装着します。
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7人工の歯を製作・装着
二次手術から歯肉が安定したら型を取り、クラウン(人工の歯)を作ります。全体の噛み合せを整え、表面の色をチェックしながら最終的な装着歯を被せます。
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8定期健診、メインテナンス
インプラントを長期間使用していただくために、メンテナンスを開始します。
歯科医師の指導に従い、患者さん自身で口腔内を清潔に保つこと(プラークコントロール)が大切になります。
また、定期健診(1週間後、1ヵ月後、3ヵ月後、半年後)で噛み合せのチェック、骨の検査、被せた歯の緩み等の検査をします。
インプラントの魅力
インプラント(Implant)とは、植え付けるという意味。
歯科領域でのインプラント治療といえば、一般的には人工歯根治療のことを言います。
歯が抜けた時、代わりに自分の歯に近い人工の歯を“植立”することで、より自然に近い、美しい“自分の歯”を取り戻して、食事もおいしくいただくことができます。
少し前まで主流だった「入れ歯」や「ブリッジ」、「差し歯」はどうしても噛む力が劣ってしまいました。でも、インプラントは違います。高齢化社会を迎える現代、またより歯の美しさが追求されるいま、まさに主役ともいえる治療法として、多くの患者さんの注目を集めています。
インプラントの優れた点
- 見た目がきれいです。
- 周りの歯を傷つけません。
- 噛み心地は自分の歯とほぼ同じです。
- 人工の歯が骨と結合し、違和感がありません。
- インプラントの種類により、手術が1回の場合と2回の場合がありますが、回復がとても早いです。
他の治療法との比較
現在 注目されるインプラント治療は、これまでの治療、入れ歯やブリッジに比べると、患者さんにとっても大きなメリットがあります。
項目/治療法 | インプラント | 入れ歯 | ブリッジ |
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審美性 | 優れる | 良くない | 良い |
噛む力 | 優れる | 弱い | 良い |
口内衛生 | 優れる(手入れ要) | 不衛生になりやすい | 不衛生になりやすい |
耐久性 | 優れる(手入れ要) | 合わなくなる事が多い | 両隣の歯に負担 |
健康な歯を削る | なし | なし | 両隣の歯を削る |
違和感 | なし | 有り | 少ない |
顎骨がやせる | なし | やせる | やせる事がある |
手術 | 有り (抜歯程度) | なし | なし |
診療形態 | 自由診療となります | 保険診療 見映えの良いものは、 自由診療となります |
保険診療 見映えの良いものは、 自由診療となります |
治療期間 | 3-7ヵ月(2回法の場合) | 2週間-2ヵ月 | 2-3週間 |
インプラント
健康な歯を削る必要がなく、人工歯根がしっかりと固定されます。他の歯に依存せず、他の歯への負担がありません。咬合力が強く、外観も不自然さがありません。天然の歯と変わらない噛み心地があります。
部分入れ歯
取り外し可能なので、両隣の健康な歯を削らずに済みます。バネで両隣の歯に止めるため、不安定で噛む力は弱くなり、両隣の歯に負担がかかります。バネが目に付き、見た目は今一つの場合もあり、噛み心地も違和感があることがあります。治療期間2週間~1ヵ月。
総入れ歯
歯茎全体で入れ歯を支えます。安定が悪く、噛む力はかなり弱くなります。固いものが食べられず、食感が悪くなります。治療期間1~2ヵ月。
ブリッジ
ブリッジを支える両隣の健康な歯を削る必要があり、噛み合せの時に両隣の歯に負担がかかります。部分入れ歯に比べると、安定しており、噛む力も回復し、天然の歯に近い噛み心地があります。治療期間2~3週間。
費用について
インプラントシステム(ストローマン社) | ¥400,000~¥600,000 |
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※手術費、インプラント体、上部構造を含めた料金となります。