column 医院コラム

当院のむし歯治療について

2023.06.01

当院では、虫歯治療はスウェーデンのカリオロジー学に基づいて診断し治療を進めていきます。
カリオロジーとは、なぜ虫歯になってしまったのか、虫歯を予防するためにどうしたら良いかということを学ぶ学問です。日本の虫歯治療では、虫歯の診断をしてから削るということから始まります。しかし、虫歯になった理由を患者様本人が理解するまでは削るべきではないと考えています。なぜなら削って詰める行為は対処療法であるため再発や他の歯で虫歯ができるかもしれません。なぜ虫歯ができたのかを一緒に考えて虫歯を新たに作らないようにすることが一番大事です。

最初にリスク評価をする

  • 虫歯の芽を見逃さない
  • 初期の虫歯に対しては予防処置
  • 虫歯の活性度を判断する
  • できるだけ小さな介入での虫歯治療

当院では以上の事を診療の基本方針としております。

患者様の歯を長持ちさせるために歯は極力削らない、という考えです。しかし、むし歯で痛みが出てしまった歯、古い詰め物の中でむし歯が進行した場合やむし歯の進行が深い場合は神経の処置をしなければいけません。
歯は一度削ってしまったら元に戻す事は出来ません。削って詰めた時から歯の寿命は短くなります。 削ってまた詰めての治療を繰り返していけば歯は当然弱くなっていきます。
実は、日本の歯科医師は新しいむし歯を削るよりも古い詰め物のやり直しという治療に時間を多く費やしているのです。これは、材料の質も問題もありますが、むし歯の原因を知らずにきてしまったことが日本に予防歯科の考えが浸透してないことが大きな原因です。

まずは、経過観察が必要か削る処置が必要かを見極めることがとても難しいのです。

虫歯をマネジメントする考え方

  • 診断
  • リスク評価
  • 予防戦略
  • 最小限の治療

新しく出来てしまったむし歯がどのステージにあるかを診断することが大切です。
患者様個人個人がどれだけ虫歯になるリスクを持っているかを知るために、当院では唾液検査を実施しております。
唾液検査はスウェーデンで開発されたカリオグラムというむし歯リスク分析ソフトを用いて患者様一人一人に合わせて提供させていただきます。
生活習慣や歯磨きの状況、虫歯菌の数、唾液の質の観点から科学的に分析することでむし歯のリスクを知ることができます。
予防処置は、ただ歯ブラシをしていたらむし歯を避けられるのではないのです。人それぞれ唾液の性質や歯の質は異なります。
むし歯治療の前に自分のお口の状態を知っていただいてから予防処置を行うことで極力むし歯治療の介入を最小限にしていきます。